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実説 城谷怪談 撰集八十二
- Narrado por: 城谷 歩
- Duração: 1 hora e 57 minutos
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Sinopse
実説 城谷怪談
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。 幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。 そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「べいんべいん」(28分)
紫さんという女性の体験談。会社員の紫さんはその日も朝早く仕事に向かうため電車に飛び乗った。 通勤ラッシュでぎゅうぎゅうの混雑ぶりは、電車から降りた駅の構内も同じことだった。それでも毎朝のことで慣れっこの彼女は大勢の人波に乗って地下階へ降りる階段を目指していた。 (眠いなぁ……)とぼんやりしていると行く手の階段の様子がおかしい。上り下りでいつもなら隙間なく混んでいる階段、中央部分がスカスカで人波が外側に膨らんでいる。 どうやらリュックを背負ったTシャツの男がゆっくり地下階へ向かっており、その人物を避けているためのようだった。
「消えない声」(32分)
高橋さんは二十代の若いママさんで、同時に筋金入りのホラー好きだ。幼少のころからオカルトやホラーが大好きだったが、存分にオカルトライフを楽しむことができるようになったのは、念願の大学に進学が決まり、地元を出て東京の八王子近辺で一人暮らしを始めてからのことである。 学校の有志とオカルト研究会を作り週に一度の割合で心霊スポットを巡ったり、ホラー映画の鑑賞会を楽しんだりしていたのだが、大学三年の夏、ある心霊スポットに出向いたときに、ついに怪体験をすることになってしまう。
「或青年の話 前編」(34分)
世の中には霊感がずば抜けて強い人がいる。修業を積んだり、研鑽を重ねて能力者として生きていく人もあれば、人知れずごく普通の顔をしながら、その実、持って生まれた力がゆえに人知れず悩み、苦しんでいる人がいるのも見過ごせない現実である。 タクマ君は現在高校三年生、彼は霊感の強い家系の生まれで、本人も自覚できるほど霊感が強い。彼の場合、霊を見たり聞いたりという体験はそれほど多くない。代わりに匂いや霊の感情を鋭敏に感じ取り、まるで自分のことのように、つまりある種の憑依体質のごとく影響するのだという。 そのことが原因で彼は五歳の時に感情を失っている。そんな彼が小学校六年生で引っ越した家で奇妙な体験をすることになる。
「或青年の話 後編」(22分)
タクマ君は引っ越した先の家にナニかがいるのに気付いたが、それが一体何者かはわからなかった。家族同然の付き合いをしていた近所の強い霊感者であるおばあさんに確認すると「害のない白蛇だ」というので安心していたが、しばらくしてこのおばあさんが急逝してしまう。 良き理解者で、家族にさえ理解を求められないタクマ君の力についての唯一の相談者が亡くなったことでタクマ君はいよいよ生きていくことに疲れていたころ、クラスの女子に告白された。曖昧な返事をしてやり過ごしたその日の夜、彼は自宅付近を流れる川の傍で得体のしれないうねうねと動くモノを見た。 それはタクマ君を狙う負の塊だったのだが……。
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。 幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。 そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「べいんべいん」(28分)
紫さんという女性の体験談。会社員の紫さんはその日も朝早く仕事に向かうため電車に飛び乗った。 通勤ラッシュでぎゅうぎゅうの混雑ぶりは、電車から降りた駅の構内も同じことだった。それでも毎朝のことで慣れっこの彼女は大勢の人波に乗って地下階へ降りる階段を目指していた。 (眠いなぁ……)とぼんやりしていると行く手の階段の様子がおかしい。上り下りでいつもなら隙間なく混んでいる階段、中央部分がスカスカで人波が外側に膨らんでいる。 どうやらリュックを背負ったTシャツの男がゆっくり地下階へ向かっており、その人物を避けているためのようだった。
「消えない声」(32分)
高橋さんは二十代の若いママさんで、同時に筋金入りのホラー好きだ。幼少のころからオカルトやホラーが大好きだったが、存分にオカルトライフを楽しむことができるようになったのは、念願の大学に進学が決まり、地元を出て東京の八王子近辺で一人暮らしを始めてからのことである。 学校の有志とオカルト研究会を作り週に一度の割合で心霊スポットを巡ったり、ホラー映画の鑑賞会を楽しんだりしていたのだが、大学三年の夏、ある心霊スポットに出向いたときに、ついに怪体験をすることになってしまう。
「或青年の話 前編」(34分)
世の中には霊感がずば抜けて強い人がいる。修業を積んだり、研鑽を重ねて能力者として生きていく人もあれば、人知れずごく普通の顔をしながら、その実、持って生まれた力がゆえに人知れず悩み、苦しんでいる人がいるのも見過ごせない現実である。 タクマ君は現在高校三年生、彼は霊感の強い家系の生まれで、本人も自覚できるほど霊感が強い。彼の場合、霊を見たり聞いたりという体験はそれほど多くない。代わりに匂いや霊の感情を鋭敏に感じ取り、まるで自分のことのように、つまりある種の憑依体質のごとく影響するのだという。 そのことが原因で彼は五歳の時に感情を失っている。そんな彼が小学校六年生で引っ越した家で奇妙な体験をすることになる。
「或青年の話 後編」(22分)
タクマ君は引っ越した先の家にナニかがいるのに気付いたが、それが一体何者かはわからなかった。家族同然の付き合いをしていた近所の強い霊感者であるおばあさんに確認すると「害のない白蛇だ」というので安心していたが、しばらくしてこのおばあさんが急逝してしまう。 良き理解者で、家族にさえ理解を求められないタクマ君の力についての唯一の相談者が亡くなったことでタクマ君はいよいよ生きていくことに疲れていたころ、クラスの女子に告白された。曖昧な返事をしてやり過ごしたその日の夜、彼は自宅付近を流れる川の傍で得体のしれないうねうねと動くモノを見た。 それはタクマ君を狙う負の塊だったのだが……。
©2021 Wataru Shirotani
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