鈴木三重吉童話全集――ぶくぶくながなが火の目こぞう
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Narrado por:
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でじじ
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De:
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鈴木 三重吉
Sobre este áudio
<作品紹介>
鈴木三重吉は日本の児童文化運動の父として知られています。
彼は、政府が主導する唱歌や説話の質に不満を持ち、子供の感性を育むためには、本当に良い作品を届けなければならないという哲学のもとで、童話と童謡の雑誌「赤い鳥」を創刊しました。その創刊号には、芥川龍之介、有島武郎、泉鏡花、北原白秋らが賛同し、後には菊池寛や、谷崎潤一郎らも作品を寄稿しました。また、「赤い鳥」には多くの作家、作詞家、作曲家、画家が賛同し、参加したのみならず、彼らが世に出るきっかけとなりました。
三重吉自身も創作童話のみならず、世界各国の物語を児童向けの童話として、沢山の作品を発表しています。
このオーディオブックは、鈴木三重吉がお子様に対しても真剣に一人の人間として向き合って、千差万別の人間模様を描いた童話が収められたものです。是非親子で一緒に触れてみてはいかがでしょうか?
<収録作品>
「ぶくぶく長々火の目小僧」
むかしむかしある国の王様に美しい王女がいました。
ですが王女はどんな立派な人から結婚の申し込みを受けても、全部断り続けていました。
うるさくてたまらないものですから、「三晩の間、私を部屋から出さないように寝ずの番をしてみせる人がいたら、その方のお嫁になりましょう」と条件を出して触れ回りましたが、世界中からやって来た花婿候補はなぜか番の最中に眠ってしまい、王様に切り殺されたのでした。
ある国の年若い王子は、父王の反対を押し切って王女の国へ出かけました。
その途中でいつでも体がゴムのように膨れる「ぶくぶく」、つま先立ちをすると天まで手が届く「長々」、目から火を噴く「火の目小僧」という不思議な力を持った三人をお供にしました。
王女の国へ着いた王子は、王様に王女の番をさせてもらうよう、頼み込むのですが……
「ワーレンカが大人になる話」
ワーレンカは、弟のニコーレンカと、末の妹のリーザンカと一緒にお芝居を観に行くことになり、喜び勇んで支度をしました。
劇場に入るとあまりに多くの人がいるのに圧倒されながら、ワーレンカたちは座席のボックスへとやってきました。
すると仕切り一つを隔てたボックスにはきれいな品のある男の子と女の子がいました。
二人はワーレンカたちを見て何かささやき、ワーレンカたち三人も二人を見てささやき始めました。
ワーレンカたちはお芝居よりも二人のことが気になって仕方がありませんでした。
幕が下りると一人の士官に付き添われたさっきの少年と少女がワーレンカたちの元にやってきました。
二人と話したかったワーレンカたちも喜んでそれに応じるのでした……
ほか
<鈴木三重吉(すずき・みえきち)>
小説家・童話作家。1882年、広島の生まれ。
東京帝国大学において夏目漱石に師事した後、その門下となる。短編小説「千鳥」を「ホトトギス」に発表して認められ、作家としてデビューした。
その後も浪漫的・抒情的な作品を書き注目を受けたが,しだいに童話への関心を深め1916年童話集「湖水の女」を出し、1918年、児童雑誌「赤い鳥」を創刊。坪田譲治、新美南吉らの童話作家を育てた。
代表作には小説「小鳥の巣」「桑の実」「世界童話集」など。
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