鈴木三重吉童話全集――正直じいさんほか
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Narrado por:
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でじじ
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De:
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鈴木 三重吉
Sobre este áudio
<作品紹介>
鈴木三重吉は日本の児童文化運動の父として知られています。
彼は、政府が主導する唱歌や説話の質に不満を持ち、子供の感性を育むためには、本当に良い作品を届けなければならないという哲学のもとで、童話と童謡の雑誌「赤い鳥」を創刊しました。その創刊号には、芥川龍之介、有島武郎、泉鏡花、北原白秋らが賛同し、後には菊池寛や、谷崎潤一郎らも作品を寄稿しました。また、「赤い鳥」には多くの作家、作詞家、作曲家、画家が賛同し、参加したのみならず、彼らが世に出るきっかけとなりました。
三重吉自身も創作童話のみならず、世界各国の物語を児童向けの童話として、沢山の作品を発表しています。
このオーディオブックは、鈴木三重吉がお子様に対しても真剣に一人の人間として向き合って、千差万別の人間模様を描いた童話が収められたものです。是非親子で一緒に触れてみてはいかがでしょうか?
「正直じいさん」
ある田舎にとても正直なおじいさんがいました。
ある晩、おじいさんは長年馬の飼葉を売って貯めてきたお金を数えると、一日銅貨一枚ずつでも、何十年と続けてきただけにびっくりするほど貯まっていました。
このお金を何に使ったらいいだろうと、おじいさんは一晩さんざん考えて、いいことを思いつきました。
あくる朝、おじいさんは宝石屋に行って全てのお金を渡して立派な金の腕輪を買いました。
そして、同じ町の大金持ちの商人を訪ねました。
おじいさんはちょうど旅から帰っていた商人に、「これまで世界中で出会った中で、この人こそ美しい、一番しとやかな女の人は誰か」と尋ねると、カイスタンという国の王女が一番だと答えました。
そしておじいさんは、その王女に出会ったらこれを差し上げてくださいと、商人に金の腕輪を預けました。
商人は驚きながらもそれを引き受けて、カイスタンの王女に腕輪を贈るのでしたが……
<収録作品>
正直じいさん
パイプ
魔法の狼
海の女王
猿の手
二人のこじき
モーニ
おたんじょう日
おじさん
よくばり猫
きつつき
めぎつね
まわしもの
命の水
びっくりとはこんなもの
大いたち
王ハリスチャンドラ
こぐまが空へ上った話
ミュンヒだんしゃくのお話
せんたくやのろば
お耳のくすり
ゼメリイのばか
ばかの笛
でんかのお猿
りゅう退治
かわうそ
老博士
ころころおかし
少年王
スギャンのめやぎ
<鈴木三重吉(すずき・みえきち)>
小説家・童話作家。1882年、広島の生まれ。
東京帝国大学において夏目漱石に師事した後、その門下となる。短編小説「千鳥」を「ホトトギス」に発表して認められ、作家としてデビューした。
その後も浪漫的・抒情的な作品を書き注目を受けたが,しだいに童話への関心を深め1916年童話集「湖水の女」を出し、1918年、児童雑誌「赤い鳥」を創刊。坪田譲治、新美南吉らの童話作家を育てた。
代表作には小説「小鳥の巣」「桑の実」「世界童話集」など。
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